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#Studio#CMS移行#WordPress#ノーコード

Studioから他のCMSへの乗り換えが「実質作り直し」になる理由

「Studioでサイトを作ったんですが、そろそろ限界を感じていて。WordPressか何かに移せませんか」

この種の相談を、ここ最近多くいただくようになりました。実際に何件も移行を対応してきたので、今日はその実情を書きます。先に正直なところを言ってしまうと、Studioからの乗り換えは、ほとんどの場合「移行」ではなく「作り直し」になります。そして費用は、依頼される方が想定しているより大きくなりがちです。

なぜそうなるのか。それでも乗り換える価値があるのはどんな場合で、逆にStudioのままがいいのはどんな場合か。順に説明します。

どんな理由で乗り換えの相談が来るのか

相談の理由として多いのは、大きく2つです。

一つは機能の限界。Studioはノーコードで美しいサイトが作れる優れたツールですが、運用を続けるうちに「この機能が欲しいのにできない」にぶつかる場面が出てきます。サイトが事業の中で重要になるほど、やりたいことがツールの枠を超えていく。

もう一つは表示の重さです。ページの表示が遅い、という体感での相談は本当に多い。表示速度は閲覧者の離脱にもSEOにも効いてくるので、事業サイトとしては無視しにくい問題です。

ただし、ここは公平に書いておくと、表示速度については現在は改善傾向にあります。Studioが新しい基盤への移行を進めていて、JavaScriptの読み込みを減らし、表示を大幅に速くするアップデートが展開されているためです。なので「重いから乗り換えたい」が理由の場合は、まず基盤の切り替えで解決しないかを確認してから判断したほうがいい。乗り換えを請ける側の私が言うのも変ですが、そのほうが誠実だと思うので書いておきます。

どちらにしても「Studioが悪い」というより、手軽さと引き換えの制約が、サイトの成長に追いつかなくなった、という話だと捉えています。

なぜ「移行」ではなく「作り直し」になるのか

ここが本題です。WordPress間のサーバー引っ越しのような感覚で「データを移すだけでしょう」と思われがちなのですが、Studioの場合はそうはいきません。理由は3つあります。

コードもデザインデータも持ち出せない

Studioが生成するHTMLは、JavaScriptベースの動的な構造になっています(この点は現在、新基盤への移行で改善傾向にあります)。ただ、いずれにしても、ソースコード・デザインデータ・ページ情報をエクスポートする機能は提供されていません。これは公式ヘルプでも明言されている仕様です。つまり、見た目のデザインは完成していても、それを他の環境に持っていって再利用することができない。

私が対応するときも、公開されているサイトを見ながら模写して実装し直すのに近いレベルの作業になります。デザインデータが手元に残っていたとしても、実装はゼロからです。

コンテンツもそのまま移せない

ブログ記事などのCMSコンテンツも同様で、StudioにはCMSデータのエクスポート機能が提供されていません。他のCMSにインポートできる形でデータを取り出せないため、結局は手作業で移すことになります。記事数が少なければ大したことはありませんが、数十本、数百本となると、これだけで相応の工数です。

画像の救出が一番の難所

意外に思われるかもしれませんが、実務で一番苦労するのは画像です。Studioは画像の格納方法が特殊で、アップロードした元データをまとめて取り出すことができません

画像の元データを手元に保管していれば問題ないのですが、無い場合は、一記事ずつ開いて中身を確認し、画像を1枚ずつ保存していくしかない。この作業は投稿数に比例して膨らみます。つまり、記事が多いサイトほど移行費用が上がる構造になっています。

費用は「想定の何倍も」かかることが多い

以上の事情から、Studioからの乗り換えは、見た目そのままの引っ越しのつもりで見積もりを取ると、想定の何倍もの金額になることが珍しくありません。

これは業者がふっかけているわけではなく(少なくとも私はそうではないつもりです)、上に書いたとおり、実態が「移行」ではなく「新規制作+手作業のデータ移し替え」だからです。私は見積もりの際、この構造を先に説明するようにしています。金額だけ見ると驚かれますが、内訳を分解すれば納得していただけることがほとんどです。

なお、移行先はWordPressにするか、ヘッドレスCMSを使った構成にするかをよく選びます。更新の頻度や体制によって向き不向きが分かれるところで、このあたりの考え方はWordPressから静的サイトへ移行した話でも書いたとおりです。

それでも、Studioのままがいいケース

正直な線引きも書いておきます。次のような場合は、無理に乗り換えないほうがいいと思っています。

  • 費用が見合わない場合。上記のとおり移行コストは小さくありません。今のサイトで事業が回っているなら、その予算は別のことに使ったほうがいい場面もあります
  • サーバーやセキュリティの管理を自分たちで持ちたくない場合。Studioはホスティングごと預ける仕組みなので、サーバー管理もセキュリティ対応も、自社で抱えなくて済みます。これはStudioのはっきりした強みです。WordPressに移すということは、その管理責任がこちら側に来るということでもあります

ツールに優劣があるというより、サイトの規模・更新体制・予算に対して何が合うかの問題です。乗り換えありきではなく、そこから一緒に考えるのが本来の順番だと思います。

乗り換えを相談するとき、決めておくとスムーズなこと

実際に相談いただく場合、次のことが整理されていると話が早いです。

  • ドメインをどうするか(今のドメインを引き継ぐのか)
  • どのページを残したいか(全ページか、主要ページだけか。ここで費用が大きく変わります)
  • デザインは今のままでいいか(模写ベースで再現するか、これを機にリニューアルするか)
  • 各種ログイン情報(Studio・ドメイン管理など)

特に2つ目と3つ目は費用に直結します。「全部そのまま」が一番高くつくので、これを機に整理する、という考え方も選択肢に入れてみてください。

まとめ

  • Studioからの乗り換え相談は、機能の限界表示の重さが二大理由(速度は新基盤で改善が進んでいるため、切り替えの確認が先)
  • コード・デザイン・CMSデータのエクスポート機能がなく、コンテンツも画像も手作業移行になるため、実質は作り直し
  • 特に画像は元データを取り出せないため、記事数が多いほど費用が膨らむ
  • 費用が見合わない場合や、管理を委任したい場合は、Studioのままも十分合理的
  • 相談前に「ドメイン・残すページ・デザインの扱い」を決めておくとスムーズ

乗り換えるにしても、とどまるにしても、判断材料が揃っていることが一番大事です。この記事がその材料になれば幸いです。


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