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#Studio#CMS移行#WordPress#ノーコード

Studioからの乗り換えは、実質「作り直し」になります

「Studioでサイトを作ったんですが、そろそろ限界を感じていて。WordPressか何かに移せませんか」

この種の相談を、ここ最近よくいただきます。実際に何件も対応してきました。

先に正直なところを書くと、Studioからの乗り換えは、ほとんどの場合、移行ではなく作り直しになります。そして費用も、思っているより大きくなることが多いと感じています。なぜそうなるのかを順に説明します。

どんな理由で相談が来るのか

多いのは2つです。

一つは機能の限界。Studioはノーコードで美しいサイトが作れる優れたツールですが、運用を続けるうちに「この機能が欲しいのにできない」という場面が出てきます。サイトが事業の中で重要になるほど、やりたいことがツールの枠を超えていくのだと思います。

もう一つは表示の重さです。ページの表示が遅い、という体感での相談は本当に多い。閲覧者の離脱にもSEOにも効いてくるので、事業サイトとしては無視しにくい問題です。

ただし、2026年7月現在表示速度については改善が進んでいます。

Studioは2025年11月に新しい基盤を発表しました。従来のSPA(JavaScriptで画面を切り替える方式)からMPAへ移行し、JavaScriptを最小化することで、表示速度が約40%短縮されるとされています。2026年1月末から新規サイトは新基盤になり、既存サイトも切り替えが可能。旧基盤は2027年1月末に終了する予定です。

つまり、重いから乗り換えたい、という理由の場合は、まず基盤の切り替えで解決しないかを確認してから判断したほうがいいと考えています。乗り換えを請ける側の私が言うのも変な話ですが…。

どちらにしても、Studioが悪いというより、手軽さと引き換えの制約が、サイトの成長に追いつかなくなった、という話だと捉えています。

なぜ「移行」ではなく「作り直し」になるのか

ここが本題です。WordPress間のサーバー引っ越しのような感覚で、データを移すだけでしょう、と思われがちなのですが、Studioの場合はそうはいきません。理由は3つあります。

コードもデザインデータも持ち出せない

ソースコード・デザインデータ・ページ情報をエクスポートする機能が提供されていません。これは公式ヘルプでも明言されている仕様です。

見た目のデザインは完成していても、それを他の環境に持っていって使い回せない。私が対応するときも、公開されているサイトを見ながら模写して実装し直すのに近い作業になります。デザインデータが手元に残っていたとしても、実装はゼロからです。

コンテンツもそのまま移せない

ブログ記事などのCMSコンテンツも同様で、エクスポート機能がありません。他のCMSにインポートできる形でデータを取り出せないため、結局は手作業で移すことになります。記事数が少なければ大したことはありませんが、数十本、数百本となると、これだけで相応の工数です。

一番の難所は画像

意外かもしれませんが、実務で一番苦労するのは画像です。Studioは画像の格納方法が特殊で、アップロードした元データをまとめて取り出せません。

元データを手元に保管していれば問題ないのですが、無い場合は、一記事ずつ開いて中身を確認し、画像を1枚ずつ保存していくしかない。この作業は投稿数に比例して膨らみます。記事が多いサイトほど移行費用が上がる構造になっている、ということです。

費用は「想定の何倍も」かかることが多い

以上の事情から、見た目そのままの引っ越しのつもりで見積もりを取ると、想定の何倍もの金額になることが珍しくありません。

業者がふっかけているわけではありません。上に書いたとおり、実態が新規制作と手作業のデータ移し替えだからです。私は見積もりの際、この構造を先に説明するようにしています。金額だけ見ると驚かれますが、内訳を分解すれば納得していただけることがほとんどです。

なお、移行先はWordPressにするか、ヘッドレスCMSを使った構成にするかをよく選びます。更新の頻度や体制によって向き不向きが分かれるところで、このあたりの考え方はWordPressから静的サイトへ移行した話にも書きました。

それでも、Studioのままがいいケース

移行するしないの線引きですが、次のような場合は、無理に乗り換えないほうがいいと思っています。

費用が見合わない場合。 移行コストは小さくありません。今のサイトで事業が回っているなら、その予算は別のことに使ったほうがいい場面もあります。

サーバーやセキュリティの管理を自分たちで持ちたくない場合。 Studioはホスティングごと預ける仕組みなので、サーバー管理もセキュリティ対応も自社で抱えなくて済みます。これは強みだと思います。WordPressに移すということは、その管理責任がこちら側に来るということでもあります。

ツールに優劣があるというより、サイトの規模・更新体制・予算に対して何が合うかの問題です。乗り換えありきで話を始めず、そこから一緒に考えるのが本来の順番だと思います。

相談するとき、決めておくとスムーズなこと

実際にご相談いただく場合、次のことが整理されていると話が早いです。

  • ドメインをどうするか(今のドメインを引き継ぐのか)
  • どのページを残したいか(全ページか、主要ページだけか)
  • デザインは今のままでいいか(模写ベースで再現するか、これを機にリニューアルするか)
  • 各種ログイン情報(Studio・ドメイン管理など)

とくに2つ目と3つ目は費用に直結します。全部そのままが一番高くつくので、これを機に整理する、という考え方も選択肢に入れてみてください。

まとめ

  • 乗り換え相談の二大理由は、機能の限界と表示の重さ。ただし速度は新基盤で改善が進んでいるので、切り替えの確認が先
  • コード・デザイン・CMSデータのエクスポート機能がなく、コンテンツも画像も手作業移行になるため、実質は作り直し
  • とくに画像は元データを取り出せないため、記事数が多いほど費用が膨らむ
  • 費用が見合わない場合や、管理を委任したい場合は、Studioのままも十分合理的
  • 相談前に、ドメイン・残すページ・デザインの扱いを決めておくとスムーズ

乗り換えるにしても、とどまるにしても、判断材料が揃っていることが一番大事だと感じています。


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