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#AI#仕事観#Web制作

AIで何でも作れる時代に、わざわざ会いに行く理由

AIで、Webサイトはかなりの部分まで作れるようになりました。私自身、毎日の実装にAIを使っていますし、その恩恵は素直に大きいと感じています。

じゃあ、制作者に残る価値は何なのか。単価は下がっていくだけなのか。この問いを、AIを使い込んでいる制作者の立場から、一度ちゃんと書いておきたいと思います。先に結論を言うと、私の答えは拍子抜けするほどアナログで、「会いに行くこと」です。

AIで、実際に何が変わったか

まず現状認識から。きれいごと抜きで、AIの影響は肌で感じています。

一番はっきりした変化は、単純な静的実装の依頼が来なくなったことです。デザインどおりにコーディングするだけ、のような仕事は、明らかに減りました。この領域はAIで置き換えられつつあるんだと思います。かつての私の入口だった仕事なので、複雑な気持ちはありますが、事実は事実です。

一方で、自分の作業はというと、楽になった部分と、逆にしんどくなった部分があります。今まで苦手だったことや、できなかったことまで、AIのおかげで一人で広くこなせるようになった。すると何が起きるかというと、全部自分でやることになって、かえって時間が足りない。効率化の道具を手に入れたのに忙しくなるという、妙な現実があります。

つまりAIは「作る」を安くしました。でも、仕事の全体がラクになったかというと、そう単純ではない。ここに考えるヒントがある気がしています。

「作る」の値段が下がるなら、何の値段が残るのか

サイト制作の工程を分解すると、「相手を理解する」「何を作るか決める」「作る」「公開後も面倒を見る」に分かれます。AIが下げたのは、このうち「作る」の値段です。

逆に言うと、残りの工程の価値は下がっていません。むしろ、作ること自体が誰にでもできるようになるほど、「この会社にとって何を作るべきかを、ちゃんと理解して決められること」の希少性は上がっていくはずです。

そして、相手を理解する方法として、私はいまだに「直接会う」を超えるものを知りません。

だから、会えそうならどこへでも行く

私は、少しでも「直接会えそう」な話が出てきたら、基本どこへでも会いに行きます。

といっても、その場でがっつり打ち合わせをするわけではありません。本当に挨拶程度です。30分挨拶して、雑談して帰ってくることもある。それでも行きます。会えば、その人がどんな人か、その会社がどんな空気の場所か、画面越しでは絶対に入ってこない情報が入ってくるからです。

サイトの要件定義やデザインは、その理解の上に乗せるものだと思っています。会社のことを知らないまま作るサイトと、知ってから作るサイトでは、同じ見た目でも中身が違ってくる。

それに、これは受注側の実感ですが、30分の雑談は相手にとっても意味があるようです。「またこの人に頼めば安心できる」という材料になる。私のリピートが多いのは、たぶん制作物のクオリティだけの話ではなくて、この積み重ねなんだろうと思います。

AIには、ここが埋められません。技術的にできるかどうかではなく、「わざわざ来た」という事実そのものが信頼の材料になるからです。効率で考えたら無駄の塊みたいな行動が、効率の時代にいちばん効く。皮肉ですが、本当にそうなっています。

発注する側へ:AI時代の制作者選びの一つの見方

もしこれからWeb制作を頼むなら、「何が作れるか」と同じくらい、「自社をどれだけ理解しようとしてくれるか」を見てほしいと思います。

ツールは、正直、誰でも使えるようになりました。制作会社もフリーランスもAIを使います。そこの差はどんどん縮まる。差が開くのは、要件定義の前にどれだけあなたの会社を知ろうとするか、公開したあとも関係が続くか、という部分です。

打ち合わせの前に自社のことを調べてきてくれたか。質問が「どんなサイトにしますか」ではなく「何に困っていますか」から始まるか。このあたりは、わりと分かりやすいサインだと思います。

まとめ

  • AIで「作る」の値段は実際に下がった。単純な実装の仕事は減っている
  • ただし「相手を理解して、何を作るべきか決める」の価値は下がらない。むしろ上がる
  • だから私は、挨拶程度でも直接会いに行く。画面越しでは入ってこないものが、そこにある
  • 制作者を選ぶなら、技術より「自社を理解しようとする姿勢」を見るのがおすすめです

AIの進化は止められないし、止める必要もないと思っています。ただ、道具が進化するほど、最後に残るのは人と人の話になる。1年使い込んでみて、今のところの実感はこれです。


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